走った理由は“つみれ汁”。麒麟獅子マラソンで10km挑戦してみた話

体験記

マラソンなんて、もう何十年も走ってない――。そんな自分がなぜか、兵庫県・新温泉町で開催された「麒麟獅子マラソン」の10km部門に出場することに。

きっかけは「お土産とつみれ汁があるよ」という一言。完走できるかも不安だったけど、自然の中を走り、地元の応援に背中を押され、ゴールにたどり着いた先に待っていたのは、体も心も満たされる“ごほうび”の数々でした。

これは、ちょっと頑張った大人のための、ゆるくて熱い挑戦記です。

なぜ走ることにしたのか

正直に言えば、マラソン大会に出るつもりなんて、まったくありませんでした。
何十年ぶりかに出るマラソン。仕事でも長距離を走る機会なんてないし、普段はジムで軽く運動する程度です。

そんなある日、ジム仲間に「せっかく運動してるんだし、10kmぐらい軽く走ってみたら?完走するとお土産もあるよ」と言われました。

「お土産もらえるのか…」という軽い気持ちで、なんとなく申し込み。
ほんのちょっとだけ「自分に挑戦」してみようかな、という気持ちもありました。

会場の雰囲気と麒麟獅子マラソンの魅力

会場は、兵庫県新温泉町にある町役場前の道。海産物や温泉で知られるエリアです。

日本海を望む橋を渡り、再び役場前に戻ってくるコース。3km、5km、10km、ハーフと種目があり、体力に応じて選べます。

今回は10kmに参加。5kmだと少し物足りない気がしたし、ハーフは自信がなかったので、ちょうど良さそうな距離を選びました。

実際のレースの様子と感じたこと

当日は大会の周年記念で猫ひろしさんも参加していて、スタート前から会場は賑やか。テンションが自然と上がっていきました。

ただ、いざスタートすると…2kmくらいで、いきなりふくらはぎがつるトラブル発生(笑)。
実は大会の20日前、試しに10km走ってみたときも足がつってしまい、その後ろくに練習できず、ぶっつけ本番でした。

トレッドミルで3kmほどは普段から走っていたので「10kmもまぁいけるでしょ」と思ってたんですが、やはり現実は甘くない。

それでも、足の痛みをこらえてジョギングペースに切り替え、「完走」を第一目標に。
田んぼ道ではカエルが跳ねるのを見たりと、自然に触れる時間にもなっていました。

折り返し地点では、地域のボランティア(高校生やご年配の方々)がポカリスエットを紙コップで配ってくれていました。
走りながら飲もうとしたら、見事にむせました(笑)。でも、足を止めたらもう動けなくなりそうで、とにかく前に進みました。

走ってるというより、もはや「泳ぎ続けるマグロ」のような状態でしたね。止まったら終わる、みたいな。

残り2km、川の土手あたりで白いSUVが停まっていて、ある男性がプラカードを振り、ラジカセからユズの「栄光の架橋」を大音量で流して応援してくれていました。
多分、毎年来ている名物おじさんだと思います。知らない誰かの応援って、あんなにも力になるんですね。

最後は足がつりながらも、アドレナリンで痛みを乗り越えスパート。
ウマ娘でいうところの「第4コーナーからの追い込み」みたいなイメージで、沿道の声援を力にゴールまで駆け抜けました。

走り終えて思ったこと

正直、タイムより「やり切った」満足感が大きかったです。
事前練習で足を痛めていたので、本当に完走できるか不安だったのですが、案外なんとかなるもんですね。

走ってみて分かったのは、「限界かな」と思ったときでも、自分は投げ出さずに踏ん張れるということ。

歩かずに走り切ったのは、小さなことですが大きな自信になりました。

そして何より、ゴール後の炊き出しで食べたイワシのつみれ汁が最高に美味しかったです。白味噌ベースで、沁みました。

参加者には完走証とお土産もあり、私は「猛者えび」を選びました。地元でしか流通しない貴重なエビだそうで、いい記念になりました。

温泉施設の無料チケットももらえて、マラソン後の疲れた身体を癒せるのも嬉しいポイント。
「つみれ汁 → お土産 → 温泉」、もはや完走は“そのための手段”だったかもしれません(笑)。

お土産とつみれ汁目当てで出る人が8割

「マラソン」と聞くとハードルが高く感じるかもしれませんが、完走できなくても怒られるわけじゃありません。
むしろ、お土産とつみれ汁目当てで出る人、8割くらいいると思ってます(笑)。

ハーフ以下の種目なら、制限タイムもゆるいのでエンジョイ勢でも気軽に参加できます。
ちょっと走って、たっぷり癒されて、美味しいもの食べて帰る——
そんな「ごほうびマラソン」、今年あなたも体験してみませんか?

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