暗号資産はアングラな文化から生まれた代用通貨、なので信用を得るのに時間がかかる。

考え方

暗号資産という言葉を聞く機会が増えてきました。BTC、ETH、XRPなどなど・・・いろんなコインがあふれています。

ビットコインを法定通貨にした国まで出てきています。エルサルバドルではビットコインが日本での円と同じ信用を持っていることになり、電気料金がビットコインで払えます。参考記事

ですが、国民は法定通貨の導入に懐疑的だそうです。値動きが激しく、価値が安定しないものを信用すると元々ある法定通貨の価値を下げかねません。しかも紙幣の形を取らないため、電子決済のインフラを持たないお店は機材の導入コストも高いでしょう。

配信者へのお礼で第三者が動いたことで価値が生まれた。

Aという配信者があるゲームをクリアしました。

配信を見ていた視聴者Bが「Aさんおめでとうございます!配信とても楽しかったです。楽しませていただいたのでお礼です!」とAさんに暗号(仲間内でしか使えないコインみたいなもの)を送ったんです。

そして、Aさんは「ありがとう!配信してるとお腹が減ってきたな。誰か暗号をあげるからピザを買ってきてくれない?」と提案しました。

すると、視聴者Cさんが「ええですよ。買いに行ってきます。」とAさんにピザを届けたんです。

何気ない光景に見えますが、これってすごいことです。AさんはBさんからもらった暗号をあげただけです。それに対して、Cさんはピザを買って、Aさんに渡しています。

暗号に価値があると信じてお金が動いたんです。Cさんにとってはピザに支払う金額よりも暗号が欲しいと思ったことになります。お金に代わる価値を生み出しました。

すると、「お金が動いたぞ!もしかしてこれを利用すればお金を集めることができるのでは?」と考えた人がいても不思議ではありません。

通貨の機能を果たすには4つの機能が必要

ビットコインはサトシ・ナカモトなる人物が発表した論文をもとに実用化されました。日本名を名乗っていますが、匿名の人物なので真偽は分かりません。

通貨としての機能を担うためには、現在の所有者が誰か分かること、受け渡したことが明確であること、偽造できないこと、二重利用を防ぐことの4つを備えていないといけません。

紙幣であるとこれらの問題は解決できます。所有者は紙幣を持っている人、受け渡しはモノやサービスと引き換えに紙幣を渡した時、偽造防止は透かしを入れて対策、二重利用は紙幣が勝手に自己増殖することはないことで解決しています。

政府が一万円札は一万円の価値があると保証し、取引記録を銀行が管理しています。そういう金融のシステムを中央集権型システムといいます。

では、暗号資産はどうでしょうか?

デジタルデータであるため0と1の羅列でできています。羅列の順が分かればだれでも簡単に複製が可能です。

例えば、自分で撮った写真をコピー&ペーストすると自分の思うままに増殖させることができます。

希少性がないものに価値はありません。そうなると価値を担保する方法を取る必要があります。

そこで利用されたのがP2P(ピアツーピア)ネットワークと呼ばれる分散型システムです。

NHK NEWS WEB 2017.3 より引用

1つのデジタルデータについて複数のパソコンで唯一無二であることを証明しようとする試みです。

では、唯一無二であることを証明するためには暗号が動いた記録、取引履歴を管理することが必要です。

それを可能にしたのがブロックチェーン技術です。

ブロック(取引履歴)を途切れることなくつないでいくことで正当性を証明するものです。

ブロックチェーンは分散型台帳技術とも呼ばれています。

仮に、家計簿でお金の動きを管理していたとします。お金が入ったとき、お金を使ったときに家計簿に記録しますよね。

その動きをネットワーク利用者で証明しましょうということです。

つまり、取引履歴をみんなで見ることでお金の動きを追い、複製や二重利用を防ぎ、唯一無二であることを担保しようとしています。

新しい概念であるので普及するには時間がかかる。

少しずつ暗号資産について知ることはあっても、一般的な人が買おうとするにはまだまだ先の話でしょう。

円やドル、他の通貨も政府という大きな権力を持った組織が価値を保証するため安心して通貨を使えます。

政府はインフレでお金の価値が下がった場合、金利を上げることで通貨の価値を保っているんですよね。

暗号資産はそういった調整機能を発行量が限られていることで対応しようとしていますが、懐疑的に思う人が多いです。

私は面白い技術だと思いますが、全力で突っ込めるかというとできません。やるとしても自分の損をしても問題ない金額で様子を見ていきますね。

短期でリターンを狙っていく投機ですので付き合うとしても浅めにします。

それでは

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