「高配当ETF」や「毎月分配型ファンド」など、“お金が入ってくる実感”のある投資商品に惹かれること、ありませんか?
インデックス投資を始めたけれど、つい目に見える利益を求めてしまう——そんな気持ちはとても自然なことです。
でも、少し立ち止まって考えてみてほしいのです。
その分配金、本当に「利益」から出ているものですか?
今回は、知らないと損をする「たこ足配当」の仕組みと、そこに潜むリスクについてお伝えします。
お金が入ってくる実感”のある商品
最近、投資系のSNSや動画を見ていると「高配当ETF」や「毎月分配型ファンド」など、“お金が入ってくる実感”のある商品に目がいくこと、ありませんか?
積立NISAでインデックス投資を始めたものの、「目に見える利益がほしい」「お金が入ってくると安心する」と感じることも。
…その気持ち、すごくよくわかります。
でも実は、その“うれしい分配金”に落とし穴があるかもしれません。
私も高配当に惹かれていた
私も以前、「毎月分配型のファンドって、毎月お金がもらえて最高じゃん!」と思って、いろいろ調べたことがあります。
例えば「毎月3万円の分配金が何もしなくても入る」と考えたら、それだけで少し豊かな気分になりますよね。ちょっと豪華なランチが何回か楽しめるな〜なんて、テンションも上がっていました(笑)。
でも、調べていくうちに出会ったのが「たこ足配当」という言葉でした。
自分のお金を返されているだけのたこ足配当
■「たこ足配当」ってなに?
簡単に言えば、利益ではなく、自分が預けたお金(元本)を削って分配金として戻している状態のこと。
つまり、自分のお金を返されているだけなのです。
たとえば1万円の投資信託が、年間1%の利益(=100円)を上げたとします。ここから100円の分配金を出しても、元本は変わりません。
でも、利益が出ていないのに分配金を出すには、基準価格を下げて対応する必要があります。つまり、「分配金=自分のお金の取り崩し」ということに。
■なぜ注意が必要?
- 資産が増えていると錯覚しやすい
→ 目先のお金が入ってくると安心しますが、実際は減っているかもしれません。 - 税金が毎回かかる
→ 分配金が出るたびに税金が発生し、再投資効率が落ちます。
→ 資産形成で重要なのは、複利の力を最大限に活かすことです。 - 長期的には元本が減ってしまう可能性も
→ 一度減った資産を回復させるのは大変です。
そのお金はどこから来ているのか?
「分配金が出る=良い投資」とは限りません。
たしかに、手元にお金が入ることは心理的にも安心材料になります。
でも、“そのお金はどこから来ているのか”を知ることで、将来の資産形成の精度が大きく変わってきます。
“中身と仕組み”を理解して選ぶこと
分配金が出る投資商品は一見魅力的ですが、「出るから良い」ではなく、“中身と仕組み”を理解して選ぶことが大切です。
長期投資の目的は、「今お金をもらうこと」より、「将来の資産を育てること」。
そのためには、利益を再投資し、資産を育てていく視点も持っておきたいですね。
利益はどこから?
あなたが今気になっている投資商品。
その分配金は、“利益”から出ていますか? それとも“元本”から?
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