はじめに|CFDで失敗してわかった“合う・合わない”の感覚
投資を続けていると、「もっとリターンを増やせないかな」と思う瞬間は誰にでもあるものです。
私もその一人で、株やETFの積立に加えて、IG証券のCFD(差金決済取引)に挑戦したことがありました。
結果は、約33万円の損失。CFDとは距離を置くことにしました。
ただ、この経験は「自分に合う投資とは何か?」を見直す、貴重なきっかけになったのです。
今回はその体験をもとに、「向いていない投資から得られる学び」についてお話しします。
CFDを始めたきっかけ|「もっと稼げるかも」という甘い期待
株式投資を数年続け、値動きにもある程度慣れてきた頃。
「レバレッジをかければ、短期で大きな利益を狙えるらしい」
そんなCFDの魅力に惹かれました。
昼間は本業がある自分にとって、夜間も取引できる市場は理想的に映りました。
「少額でも効率よく利益を出せるかもしれない」
そんな期待を胸に、CFDを始めたのです。
想像以上にシビアだった。CFDのリアル
始めてすぐに感じたのは、スピード感の異常さと精神的プレッシャーの強さでした。
私が使っていたのは「ブル・ベアオプション」という、損失が限定されたFXのような商品。
証拠金にレバレッジをかけ、価格の上下を予想してエントリーする形式です。
初めの投資額10万円を使い、やっていきました。初めのうちは10万円ほど利益が出て、「めっちゃ効率ええやん」と思っていました。
しかし、秒単位で数万円が動く世界に、すぐに戸惑いました。
ネット回線やシステム処理速度の影響で、思うようなタイミングで約定できないことも多く、
常に値動きに後手を踏む感覚がつきまといました。
さらに厄介だったのが、「要人発言」や「経済指標」への過敏な反応。
たとえば、FRB議長の発言一つで相場が急騰・急落します。
しかも、ポジティブな発言=上昇、とは限りません。
市場参加者の反応は実に多様です。
「これは買いだ!」と攻める人もいれば、「加熱している」と見て利確に走る人もいる。
その綱引きで相場は動くため、上下を読むのは神様か詐欺師くらいしかできないと悟りました(笑)。
取り返したい気持ちが、自制を奪っていった
損失が出はじめた頃、「まだ巻き返せるはず」と思っていました。
実際に、これまでにプラスが出ていた経験があるぶん、「やり方を間違えなければ勝てるはず」と信じていたんです。
でも、相場は待ってくれません。
一度流れが悪くなると、立て直す余裕すらなく、焦りばかりが募っていきました。
「このままじゃ終われない」
「今エントリーして勝てば、すぐに取り戻せる」
そんなふうに、冷静な判断よりも“取り返したい”という感情が前に出てしまったのです。
気がつけば、口座に追加で資金を入れていました。
でもそこには、最初にあったような余裕も、戦略もなく、感情だけで動いていた自分がいました。
結果は当然、良くありません。
「冷静さを欠いた取引は、負けにまっすぐ向かっていく」――その事実を、身をもって知ることになったのです。

値動きを当てるだけでは、投資家として成長できない
CFDを通じて強く感じたのは、「ただの上下予想では投資の学びがない」ということでした。
株式投資では、企業の成長性やテーマ、財務の健全性を分析して買う楽しさがあります。
仮に失敗したとしても、何かしら得るものがあり、それが自分の経験になります。
でもCFDでは、「上がるか下がるか」に集中するばかりで、知識や経験が積み上がらないように思えてしまったのです。
自分に向いていなかった。でもやってよかった
最終的に33万円の損失を出して、CFDからは撤退。
でも、不思議と大きな後悔はありませんでした。「やってみて、自分に合わないと分かった」からです。
私は、じっくりと企業やテーマを選び、コツコツ積み上げていくスタイルの方が性に合っていたのです。
CFDは短期的な判断力と、強靭なメンタルが求められます。
それよりも私は、「長期で納得感を持って保有できる投資」の方が安心できました。
投資に“失敗”はつきもの。でも“無駄”ではない
CFDで損を出した経験は、今の投資スタイルの軸を定める大きな材料になりました。
自分にとって大切なのは「メンタルをすり減らさずに、静かに育てていく投資」。
それに気づけたことは、33万円以上の価値があったと思っています。
投資において「損をした=失敗」ではありません。「それを通じて何を得たか」がもっと大切なのです。
まとめ|CFDでの経験が教えてくれたこと
- CFDは一瞬の判断力や相場への常時対応力が必要
- 自分の性格や生活スタイルには合わなかった
- 値動き予想だけの取引では学びが乏しく、消耗しやすい
- やってみたことで、自分に合った投資スタイルを明確にできた
- 損失経験も、将来の投資判断の「土台」になる
おわりに
どんな投資手法も、やってみなければ本当に合うかどうかは分かりません。
だからこそ、「挑戦」も大事。でも同じくらい、「引き際」を見極めることも大切です。
損をしているからと躍起になって追加すべきではありませんね。
自分の感情をコントロールするのもちょっとしたことで出来なくなるものです。
私はCFDを通じて、「静かに育てる投資」こそが自分のスタイルだと再確認できました。
この経験が、あなたが自分の投資スタイルを見つけるヒントになればうれしいです。
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