はじめに
「転職のため」「学生が就活前に取る資格」──ITパスポートにはそんなイメージがあるかもしれません。
でも私が受けた理由は、もっと“今の仕事を続けるため”でした。
というのも、経理として働く中で「システムに関わる仕事」が少しずつ増えてきていて、正直、出てくる言葉がよく分からないことが多かったんです。
日本語のはずなのに、まるで外国語。
開発ミーティングに参加していたはずが、いきなり異世界に転生した気分でした(笑)
「このまま“分からないまま”でいくのは、さすがにまずいかも」と思って、視野を広げるために勉強を始めました。

開発業者とのミーティングで感じた「よく分からない自分」
あるとき、発注システムの構築に関して、開発業者とのミーティングに参加することがありました。
でもそのときの「システム開発の流れ」や会話の内容が、全然頭に入ってこなかったんです。
「要件定義をして」
「テスト環境と本番環境で構成は合ってますか?」
……正直、「あ、これはまずいな」と思いました。
業務の流れや内容自体は理解していても、“開発プロセスの文脈”が分からないと、話がかみ合わない。
そんな現実を、かなりはっきり突きつけられた出来事でした。
ITパスポートで見えてきた「会話の地図」
ITパスポートで学ぶ内容には、「要件定義」や「設計」、「テスト」など、開発の各工程に関する基礎知識が含まれています。
それを学んでいくうちに、「あのとき言っていたのは、この工程のことだったのか!」と、点と点がつながっていく感覚がありました。
たとえば:
- 「単体テスト」と「結合テスト」の違いが分かったことで、「どの段階で不具合が見逃されたのか」想像できるようになった→ テストの流れが“見える”ように
- 「業務フロー」や「RPA」について知ったことで、今の業務のどこまでを自動化できるか考えられるようになった→ 経理の“手作業”を見直す目が育った
こういった知識が少しずつ積み重なって、自分が関われる領域がじわじわ広がっていく感覚がありました。
経理の枠から少しはみ出して見えたこと
もともとは「経理だからITは別世界」という感覚があったんですが、実際には全然そんなことはなくて。
- 発注処理の流れ
- 承認フローの設計
- システム上のチェック機能の整備
こういった部分って、経理の知識とITの仕組み、どちらにも理解がないとうまく整えられないんですよね。
そして、エラーが起きたときも「人のミス」と片づけるのではなく、「仕組みの作り方」に目を向けられるようになったのは、ITパスポートを通じて得た大きな変化です。
資格を取って見えた「選択肢の増え方」
ITパスポートを取ったからといって、すぐに転職したわけでも、部署異動したわけでもありません。
でも、今の仕事の中で「こういう考え方もあるな」と思える瞬間が増えました。
- システムに仕様変更をお願いするとき、相手の立場やプロセスを少し理解できるようになった
- 問題が起きたとき、「これって設計の段階から?」と、一歩深く考えられるようになった
- 日々の業務の中で、自動化できる部分がないか意識するようになった
知らないままだったら、「ITは詳しい人に任せよう」で終わっていた話が、今は自分ごととして向き合えるようになったんです。
まとめ:資格以上に「視点」が変わった
ITパスポートを通じて得られたものを一言で表すなら、「視野が広がった」ことです。
- 現場で交わされるIT用語が、ただの呪文じゃなくなった
- 問題を“人のせい”ではなく“仕組みの不備”として捉えられるようになった
- 経理の業務だけでなく、「全体の業務改善」にも一歩踏み込めるようになった
今はまだ勉強中で、「ITが得意です!」と言えるわけではありません。
何かしらエクセルとかの関数を触るのは好きだったりしますが(笑)
でも、「分からないことを、分からないままにしない」という姿勢は、確実に身についた気がします。
同じように「今の仕事をちょっと良くしたい」と感じている誰かの、きっかけになればうれしいです。
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